今回の地域探求は、大阪市にかつて多く存在した渡船所跡のひとつ「源兵衛渡」跡に埋設された安治川トンネルです。渡船の過去と現在と体験することで、川や運河とともに発展してきた大阪市の歴史を肌で感じる事ができました。
2015/10/22
実施内容
<概略>
新旧の大阪市内の渡船所を知ることは、「水の都」「八百八橋」と呼ばれた大阪市の歴史を知ることとほぼ同義です。今回の地域探求では大阪市にかつて多く存在した渡船所跡のひとつ「源兵衛渡」跡に埋設された安治川トンネルを九条から西九条に向かって通り抜け、USJに程近いJR桜島駅から現存する渡し船「天保山渡」に乗船しました。大阪市の渡船は現在8箇所に残りますが、その乗船料はすべて無料です。住民の道路の延長として利用される渡船に実際に乗船すること。また、「源兵衛渡」跡に埋設された安治川トンネルは日本最古の沈埋トンネルとして「日本土木遺産」にも登録されていることもあり、渡船の過去と現在と体験することで、川や運河とともに発展してきた大阪市の歴史を肌で感じることのできる地域探求です。最後は日本一低い山「天保山」山頂で集合写真を撮りました。
<事前授業>
10月15日(木)地域探求に参加する生徒を集めて事前授業を行ないました。大阪市の市章マークが「みおつくし」という水上交通に由来することから説明をはじめ、過去と現在の渡し舟の分布図から、実際に現地に行く「源兵衛渡」と「天保山渡」をチェックしました。また当日の持ち物の確認を行なうと同時に、今回は自分のiPadを持参して、気になるところの写真を撮るようにとの課題をだしました。
<当日の様子>
10月22日(木)12:50学校集合、出発。天気も良好でした。「源兵衛渡」までは阪神電車九条駅から徒歩10分ほどで到着。かつてエレベータで車が昇降させて河床下のトンネルを行き来していましたが、現在は歩行者・自転車だけが通過できるだけでした。それでも自転車が何台も乗れる大型のエレベータが設置されおり、エレベータを使う生徒と、階段を使う生徒がおり、それぞれトンネルの深さや当時の土木技術を感じることができました。また意外と人の交通が多く、かつて渡し舟があった名残は充分に感じられました。
安治川トンネルを潜り抜けるとすぐにJR西九条駅があり、そこから桜島駅まで移動しました。桜島駅からUSJを横目に歩き、「天保山渡船所」まで12分ほどで到着しました。渡船所には既に数人の通行人が船を待っている状態でした。安治川最河口部分ですぐ横には大阪湾が望める所で、向こう岸に海遊館や観覧車などの天保山の有名な建物群が見えました。しばらく待つと対岸から青い船が来ました。船体には大阪市の市章が描かれていました。渡船には自転車・歩行者がランダムに乗り込みました。出航すると2分程ですぐ対岸に到着しました。船員さんがすごくテキパキと動いていたことが印象深かったです。船を下りると天保山公園で徒歩1分程ですぐ天保山山頂に到着してしまいました。そして山頂付近にて集合写真を撮り、その後現地解散としました。
<事後学習>
地域探求で気になるところを写真で撮ってLiPiXというアプリで写真をコラージュしました。また、大阪の知らない一面が見られてとても良かったという感想がありました。
所感
「水の都」大阪の歴史と現在を知る良い機会になったと思います。繁華街や観光地やグルメなどのイメージがある大阪ですが、水上交通の歴史に触れることで市民の生活レベルの視点で大阪を見る良い機会になったと思います。今後も、このルートでの地域探求を続けていきたいと思います。
主催団体・参加者
私立 第一学院高等学校 大阪キャンパス 1~2年
男子5名、女子5名