京都伝統工芸大学校の先生をお呼びして、体験学習を行いました。
2015/10/8
実施内容
生徒たちには伝統工芸を通して、ものづくりの大切さを学んでもらうことが大きな狙いです。数あるテーマの中で、古くから身近な存在である、うちわを作ってみようと先生からご提案いただきました。
この日のテーマはオリジナルのうちわを作ることです。うちわと言えば夏に広告で配られたりするものをよく使います。身近にあって使うことはありますが、自分でうちわを作る経験なんてほとんどの生徒がしたことがありませんでした。
最初は簡単にできるものなんだろうなと思っていた生徒も多かったのですが、実習では本格的にうちわの芯から製作するものでした。芯となる竹の角をやすりで落とし、丸みを作っていきます。削りすぎたり形がいびつにならないように丁寧に削っていきます。初めてのことで戸惑う生徒も多かったのですが、講師の先生が丁寧に指導してくださいました。
次に削った竹の芯を均等に拡げ、それに自分の気に入った和紙を貼り付けました。和紙を貼り付けた後は形を整え、好みの大きさに裁断する作業です。この作業がなかなか難しく、うちわの形作りに皆苦戦しながらオリジナルの枠を考えていました。
正統派のうちわの形から、角ばったものや、大きさが小さいミニうちわなど、この形作りの作業がもっとも生徒たち一人ひとりの個性が表れたと思います。
最後に形を整えて、取っ手の部分にヒモで緒を結えて完成です。世界にひとつだけのオリジナルのうちわを完成させ、さっそく涼しそうにあおいでいました。中には和紙で鯉のイラストを描き、切り取ったものをうちわに貼り付け、和を感じさせるような作品を作っていた生徒もいました。
「うちわ作るの?あまり興味がないよ。」と言っていた生徒も、なかなか気に入ったものができたらしく、満足げに見せに来ました。普段何気に使っているものでも、自分で作ってみると愛着が涌くものです。
現代は物があふれかえっている時代でもあり、自分たちで何かを作ろうかといった発想になることが昔と比べて少なくなったように感じます。このような経験を活かして、ものづくりの大切さを学んでもらえたら思います。自分で作ったうちはは、世界でたった一つだけなので、生徒達の良い思い出となったと思います。
所感
最初は「うちわなら持ってるし、自分で作るなんてめんどくさいよ!」と言っていた生徒もいました。実際にこの授業を経験してものづくりに対する見方が、大きく変わったと思います。一生懸命自分でデザインや形を考えてオリジナルの作品を作り上げたら、ものを作ることがこんなに楽しいのかと言った感想を書いてくれた人もたくさんいました。この経験を通して、普段何気なく使っているものに対しての感じ方も少しは変わったのではないでしょうか。気に入って毎日学校で自分の作ったうちわを使っている生徒の姿をみると、とても嬉しく感じます。
主催団体・参加者
私立 第一学院高等学校 京都キャンパス 1、2年
男子10名、女子12名