タイやラオスには、貧しく衣類も買えない人々や、洪水などの自然災害の被災者で衣類を必要としている人たちが大勢います。NGOのアジア連帯委員会(CSA)では、そのような方々へ救援衣類を送る活動をしています。茨城県では、連合茨城が主催となって活動していることを知り、衣類や募金(輸送費)の提供はもちろん、集められた衣類の分別と梱包作業のボランティアにも参加してきました。
ボランティア実施日:2014年10月3日
計画進捗
水戸市のボランティア協会よりボランティアの情報を頂き、アジア連帯委員会や連合茨城の取り組みを調べると、海外へ救援衣類を送る運動は今年ですでに31年目になるそうです。
これまでは、衣類集約会場が学校から遠方だったため参加が難しかったのですが、今年の会場は校舎の近隣ということで、生徒や保護者に衣類の提供とボランティア参加を呼びかけました。まずは学校通信への掲載、ポスターやチラシを作成し、告知活動からスタートしました。ボランティアに関心の高い生徒から初めて申し込んでくれた生徒まで、意欲のある参加者が揃うと共に、校舎には多くの保護者から募金と衣類の提供がありました。
事前打合せ ・ 事前学習
<事前打ち合わせ>
9月17日の午後、ボランティア協会より、活動内容の案内と参加申し込み書を送って頂き、電話で詳細の確認をしました。貴重な海外支援の活動ということで、多くの方の協力を必要としていることを教えて頂きました。
<事前学習>
10月1日の午後、参加を申し込んでくれた生徒たちを集め、事前学習を実施しました。海外支援のボランティアは全員が初めてだったので、まずは「なぜ救援衣類が必要なのか?」ということを知る必要がありました。そこで、輸送先であるタイやラオスの貧困地域の状況を資料を使って調べてもらうことにしました。「タイ・・・」「ラオス・・・」と、場所も曖昧な生徒たちでしたが、地図で確認をしたり、資料を読み込んだりして、現地の状況を少しずつ理解しました。初めて知ったことや印象に残ったことなどをワークシートへまとめながら、あまりの貧しさに驚き、そして唖然としていました。低迷する経済や環境汚染、医療や教育の不足、自然災害・・・多くの問題を抱えていることが分かると、現地で救援衣類が大変喜ばれている現状に納得ができたようでした。最後に、ボランティアに取り組む際の目標設定と、どんな気持ちで参加したいかを記入し、当日を迎える心構えをしました。
当日の様子
10月3日の授業終了後、保護者の方などから提供頂いて、学校で集めた救援衣類を持って、会場へ向かいました。受付を済ませ、会場へ到着すると、目に飛び込んできたのは、救援衣類の入ったダンボールと袋の山・・・山・・・生徒も職員も、非常に驚いてしまいました。各地から送ってくださる方、持参してくださる方がたくさんいて、次から次にダンボールが運ばれてきていました。私たちもマスクと軍手を装着し、たくさんのボランティアの方々に紛れて、これらのダンボールと袋を解体し、衣類を「大人用」と「子ども用」に分別する作業に取りかかりました。
作業をしながら、生徒たちが「この洋服も、この服も新品・・・無駄な買い物をしている人がたくさんいるのかもしれない・・・私も気をつけよう」と自身の生活を振り返ったり、「こんなにたくさんの服が送られたら、きっと大喜びですね」「箱を開けたら、笑顔になってくれるといいな」と、輸送先の人々に思いを馳せたりしている様子が印象的でした。また、初めてボランティアに参加した生徒は、周囲を見渡して「いろいろな年齢の方がボランティアに参加しているんですね。交流の場にもなりますね」と感心し、積極的に声を掛け合いながら活動することができました。
終了後には、疲労もあったようですが、「良い時間が過ごせました」「これからも、このような活動に参加したいです」という声があり、充実した時間を過ごすことができたようでした。その後、10月7日まで運動が継続されていましたので、生徒は都合に合わせて自主的な参加をしたり、会場への衣類の持ち込みをしたり、できる限りのご協力をさせて頂きました。
事後学習
10月8日の午後、事後学習を実施しました。ボランティアに参加しての学びや気づき、感想をワークシートに記入しました。その後、当日の様子を振り返りながら、一人ずつ感想の発表を行いました。作業は大変だったようですが、自分たちの活動が少しでも役に立ったら嬉しいとの感想が多く聞かれました。
所感 ・ 振り返り
貴重な海外支援のボランティアに参加させて頂くことができ、生徒たちの視野や考え方が広がったように感じました。貧困地域の事情もこのような機会がなければ見過ごされてしまった可能性もあり、生徒たちにとっては学習と実践から「私たちにもできることがある!」といった大きな実感が持てたのではないかと思います。また、職員も身近な海外支援があることに気づかされ、今後もご協力できることがあればぜひ積極的に参加できたらと考えています。
生徒の声
「集められた衣類の多さにびっくりしました。集められた衣類が、また他の人の役に立ってくれたらいいと思います。貧しい暮らしをしている人がいっぱいいることを知ったので、これからはもっと助け合いができるようになりたいです。」(高1女子)
「思っていたよりも多くの人たちがボランティアに参加していて驚きました。老若男女、声を掛け合いながら協力でき、良い経験になりました。大変な作業でしたが、その労力の分、外国で待っている人たちのためになれたらと思うと、良い気分になることができました。」(高2女子)
「自分ができることを少しずつやることで、誰かの助けになるので、自分から積極的に何でもやっていきたいです。」(高2女子)
実施校・参加者
私立 第一学院高等学校 高萩校(水戸キャンパス) 1~3年次生
男子6名、女子6名