三菱重工業株式会社名古屋航空宇宙システム製作所様のご厚意で、職場観察をさせていただきました。国家プロジェクトで行ってきたモノ作りや、これまで作ってきた飛行機などを見せていただきました。培ってきたモノ作りの仕事の原点、そして企業としての夢やヴィジョンをお聞きしました。
職場観察実施日:2014/6/17
計画・進捗
壮大で夢のある最先端技術、そのモノ作りの現場で、職場観察を行いたいと考えていました。愛知県北部には三菱重工業様の名古屋宇宙システム製作所があり、そこで職員の知人が働いていることを知って、すぐにアプローチにかかりました。
事前打合せ ・ 事前学習
<事前打ち合わせ>
5月12日、三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所様にアプローチ。是非とも工場内部の職場観察をさせていただきたいと申し入れました。「大変申し訳ないのですが、弊社の工場では防衛省から受注したものを扱っています。安全保障にも関わる技術開発なども行っており、外部の方は入れません。内部の社員ですら、工場の出入りに細心の注意を心がけています。
しかし、高校生の皆さんが見たいとおっしゃるのなら、弊社が過去に開発してきた飛行機などを展示した史料室があります。そこなら見に来ていただけますし、そこで三菱重工業の仕事のこと、飛行機などのモノ作りについて説明させていただきます。特に最近は、映画『風立ちぬ』のモデルである堀越二郎がこの工場で飛行機の設計製作をしていたことから、その飛行機も展示しています。見せてほしいと言う地域の方々も多いですよ」との回答をいただきました。そこで、モノ作りを学ぶというテーマに絞って、職場観察を計画していきました。
<事前学習>
6月3日(火)・6月4日(水)、事前学習を実施。観察場所まで90分ほどかかるので集合時間の厳守、身だしなみ、挨拶などを確認。そして、映画『風立ちぬ』のモデルとなった堀越二郎が飛行機の設計製作で働いていたこと、映画『永遠のゼロ』に登場する飛行機が作られた場所であることを説明しました。
当日の様子
6月17日に職場観察を実施。朝の9時に校舎に集合して、愛知県北部の豊山町にある三菱重工業の工場へと向かいます。到着すると、係員の方に史料室へと案内してもらいます。案内した係員の方も三菱の技術者として働いてきたそうです。史料室はとても広く、過去の戦闘機や旅客機などが幾つも展示されています。
まず、三菱重工の前身である三菱がこの地に工場を作ってからの歴史を説明されます。そしてこの工場で、幾つもの国家プロジェクトの仕事を受注してきたこと、そして今も受注していることを話される。そして三菱が大切にしてきたモノ作りの仕事、そこで働いてきた技術者が大切にしてきたものなどを説明されます。さらに、展示されている飛行機などを一つひとつ見てまわりながら、当時の最先端技術が集まったものであること、『風立ちぬ』のモデルとなった堀越二郎だけでなく、一つの飛行機には多くの技術者たちの叡智と工夫が結集していることを説明されました。その後、展示されている旅客機にも搭乗させて貰い、なかなか出来ない体験をさせていただきました。
事後学習
ワークシートに感想や意見を記入。さらに、6月24日と6月25日に事後指導を実施。夏に行うプレゼンテーションに向け、発表内容について話し合い、模造紙に写真を貼り、文章を書いたりしました。
<ワークシートの意見・感想>
・「ゼロ戦やいろいろな飛行機が見られて良かったです。映画『風立ちぬ』の話なども聴けて良かったです」(1年女子)
・「飛行機を作るにはいろいろな技術者が集まり、とても大変でチームワークが必要であることを知った。とくに今の自衛隊が使っている三菱の戦闘機などは、アメリカとの共同開発なので、言葉の壁、文化の壁を乗り越えて作られたものであることを知った」(1年男子)
・「とても貴重な体験ができて嬉しかったです。飛行機もいっぱい見られて嬉しかったです」(2年女子)
所感 ・ 振り返り
モノ作りにかける技術者の想い、その想いが結集して飛行機などが作られる。そんなモノ作りの熱い想いを生徒たちは学んでくれました。
協力先名・URL
三菱重工業
実施校・参加者
私立 第一学院高等学校 養父校(名古屋キャンパス) 1~3年次生
男子6名、女子5名