今回は知ってるようで意外と知らない県立図書館です。図書館の仕事に興味を持っている女子生徒が集まって仕事観察をすることになりましたが、最初は本の貸し出しをするだけだと思っていたようです。実際に見学をさせてもらって予想外にたくさんの仕事をしていることを知り、生徒たちは驚きを隠せないようでした。
職場観察実施日:2013/12/5
計画・進捗
当初は別の図書館での見学を予定していましたが、諸事情により急遽11月中旬に県立図書館に依頼したところ、快く引き受けてくださいました。普段何気なく利用している県立図書館ですが、貸し出しだけでなく新規図書の選定・購入や図書の保存、市立図書館への支援・助言、さらに地域に密着した本に関するさまざまな文化的行事の企画など、実にいろいろな仕事をしています。
表からは見えない仕事を知ることこそ生徒にとって貴重な経験であると考え、本好きが高じて将来司書を目指すような生徒が現れてくれることを期待し、お願いをしました。
事前打合せ ・ 事前学習
職場観察1週間前の11月29日、参加者で集まって事前学習を行いました。本好きのメンバーたちで、和気あいあいとした雰囲気の中、図書館の歴史や業務内容、事前の質問事項などについて話し合いました。当日の集合時間や持ち物、現地までの道のりなども確認しました。
当日の様子
12月5日、午前中の授業が終わると全員で歩いて図書館に向かいました。参加者の中でこれまでにこの図書館を利用したことのある生徒は1名だけでした。図書館に到着すると早速、調査相談課の小俣様から、行っている業務内容や県立としての図書館の役割、蔵書数などのお話を伺いました。その後、フロアごとの説明を受け、普段は表に出ていない蔵書が保管してある倉庫へと案内していただきました。倉庫の中は暗く肌寒く、生徒たちはお化け屋敷のように恐々と入っていきます。
しかし中の蔵書を見たとたん、みんなの目がキラキラと輝き始めました。そこには様々なジャンルの本だけでなく、自分たちがまだ生まれる前の本や雑誌が山のようにあったのです!みな物珍しさに手当たり次第本を手にとってパラパラとめくっていきます。平成初期の本はもちろん、昭和、大正、中には明治時代の本もありました。タイムスリップしたかのように暫し時を忘れていました。約2時間の見学でしたが、まるで永遠の時のような、とても貴重な体験となりました。いつもの道が昭和の風景のように感じられた帰り道でした。
事後学習
観察翌日の12月6日、参加者たちはそれぞれ興味を持ったことや意外な発見について語り合いました。図書の貸し出しだけでなくその保存も重要な仕事であること(永年保存です!)、保存用の倉庫は通年空調管理されていること、蔵書数が約70万冊あり、そのうち10万冊くらいしか表に出ていないこと、年間の本の購入費が3千万円であることなど、新鮮な驚きが随所にあったようで語り合いは大いに盛り上がりました。
最後にはやはり年代物の本の話になり、どれだけ古い本を見つけたか自慢し合って終了となりました。
所感 ・ 振り返り
普段何気なく利用している図書館ですが、その果たすべき役割や蔵書数は私たちの想像の域を超えており、生徒たちにはとてもよい勉強になりました。中には「司書もいいかも」とつぶやく生徒もいて、自分の進路を考えるよいきっかけになったようです。今後も継続的にジョブシャドウイングを実施させていただき、より多くの生徒に対して知的好奇心の揺さぶりと進路選択へのきっかけを与えたいと思います。
実施校・参加者
私立 第一学院高等学校 高萩校(宇都宮キャンパス) 2年次生
女子7名