大宮区内に2店舗を構えるフランス洋菓子店、『シェ・シブヤ』。販売スペース・厨房・カフェスペースで働くパティシエ・パティシエンヌとホールの方々のお仕事を拝見し、設立者であるオーナーシェフの渋谷さんより修行時代から現在に至るまで苦労されたお話をお聞きし、今後の人生に役立てることにしました。
職場観察実施日:2013年11月14日
計画進捗
洋菓子製作やパティシエに興味のある生徒に、仕事を間近に見てやりがいや苦労を感じ、将来の進路選択に役立ててもらいたいと計画しました。『シェ・シブヤ』さんからは東町店での受け入れが可能とのお返事をいただきました。
ホームページを見ると、美味しそうなマカロンなどが並んでいるお洒落なお店で、参加予定の生徒たちは皆楽しみにしていました。
事前打合せ ・ 事前学習
11月11日、事前学習を行いました。今まで洋菓子を作ったことがあるか聞いたところ、マカロンやガトーショコラを作る腕前の生徒もいました。趣味として作る分には楽しいのですが、プロとして仕事をするには一人前になるまでが大変そうだとの意見が出ました。一人前と認められるにはどのくらいかかるのか、今まで一番手間がかかった洋菓子はどんなものなのかなど、当日に向けた質問を考えました。
当日の様子
11月14日、10:00に集合し、洋菓子店へ向かいました。オーナーシェフの渋谷さんが温かく出迎えてくださり、お店に入って直ぐの洋生菓子を販売するガラスのケースを見ながら、ケーキの種類を一通り説明してくれました。定番ケーキと季節のケーキがあるそうです。さらに、クッキーなどの焼き菓子コーナーも種類が豊富で、贈答用で買われる方が多いとのことでした。
また、クロワッサンなどのパンやキッシュもあり、ランチやディナーでは肉料理なども出すそうで、洋菓子以外にも様々なメニューがあることに生徒たちは驚いていました。厨房の大きな冷蔵庫にはたくさんのメニューが貼られていて、3~4人のパティシエ、ホールの方が分担して作業をしていました。ロールケーキを作っている方もいれば、ランチのサラダを準備する方もいて、店頭販売のお客様とカフェにいるお客様両方に素早く対応していました。
事後学習
見学を終えて校舎に戻り、色々伺ったお話の振り返りを行いました。オーナーシェフの渋谷さんは、大宮で早期にカフェスタイルの洋菓子店を開業した方で、パリでの修行経験を活かしたそうです。このスタイルのお店は当時、銀座くらいにしか無かったそうです。渋谷さんが洋菓子を習った頃は、日本はバタークリームケーキが主流で、パリに留学して様々な洋菓子を本格的に習ったそうです。
当時は日本人留学生は少なく、言葉がなかなか通じなくて厨房で相手にされず、同じ仲間でもホームシックにかかって帰ってしまう人がいる中、くじけずに残って頑張り、遂には三ツ星レストランを任されるようになったそうです。フランスのパティシエは洋菓子、パン、食事、全てが作れないと一人前とは言えず、メニューも毎週変える必要があり、新しい洋菓子などの考案も渋谷さんが担当したそうです。現在の留学よりも過酷な話は生徒たちにかなりの衝撃を与えました。また、フランスの洋菓子の巨匠を学ぶ勉強会を、パティシエ仲間と定期的に行っており、日本にいてもフランスの洋菓子精神を忘れず常に向学心を持ち続け、現状に満足しない姿勢に、生徒たちは感動していました。
所感 ・ 振り返り
オーナーシェフ渋谷さんのこだわりと信念が伝わってくる職場観察でした。店頭もカフェもお客様がたくさん来ていて、地域の方々に広く親しまれ愛されて、リピーターの多い洋菓子店なのだと思いました。これも渋谷さんのパティシエとしての確かな腕と人柄がなせる故だと思います。忙しい時間の中で丁寧に対応してくださり、本当にありがとうございました。
協力者 ・ 生徒の声
<協力者の声>
フランスの文化や伝統を、洋菓子を通じて若い皆さんに知っていただけて良かったです。これからの人生、色々ありますが、頑張ってください。
<生徒の声>
普段見られない裏側を見せていただき、ありがとうございました。渋谷さんの忍耐力を見習って今後の人生に活かしたいと思います。これからも皆に愛される美味しいケーキを作ってください。
協力先名・URL
フランス洋菓子 シェ・シブヤ 東町店
実施校・参加者
私立 第一学院高等学校 高萩校(埼玉キャンパス) 2年次生
男子2名、引率1名