6月4日放送のテレビ東京「ガイアの夜明け」に登場したスペック株式会社。この話に感動した四ツ谷キャンパスのキャンパス長が会社を訪問し、生徒への講話をお願いしたところ、石見社長は快く引き受けてくれた。軽音サークルの生徒は、事前にオフィスを訪問させてもらい、スペックの作るアンプを通して奏でられる音楽を体感。
そして当日も、わざわざ機材を運び、生徒たちに本物の音を聴かせていただいた。どの生徒も、CDから流れる音をコンサート会場にいるような臨場感をもって聴けたことに感動していた。
しごと講話:2013/9/18
計画・進捗
スペックさんは、大手音響機器メーカーを早期退職し、音にこだわる仲間が退職金を持ち寄って設立した会社である。ほとんどの社員が40歳を越えていて、石見社長も60歳を越えている。
いつまでも夢を持ち続け、音にこだわる人生には共感するものがあり、そのような熱い想いを生徒に伝えたいというのが大きな目的である。テレビ放映の翌日、その感動覚めやらぬまま、キャンパス長がスペック株式会社を訪問。趣旨を説明し、講話を依頼する。後日、社長が講演していただける旨をご連絡いただいた。また、スペックが手がけてる音を実際に聴いてみてくださいというお誘いをいただき、7月1日には軽音サークルのメンバーがオフィスに出向き、音楽を聴かせていただいた。その後、キャンパス長はスペックさんの外部での視聴会にも参加し、社長さんとの親交を深める。その後、内容についてはメールにてやり取りをしながら確認。四ツ谷キャンパスにて実施する前に、長野の小学校などでも講演ならびに視聴会を実施したとのことだった。
事前打合せ ・ 事前学習
石見社長いわく、音楽は、単に耳で「聞く」ものではない。現代の若者は、ICプレーヤーなど非常に小さなプレーヤーを通して、個人として音楽を楽しむ機会がほとんどである。このままでは日本人の多くがいずれ難聴になってしまうのではと危惧されていた。大きな音響機器を通じて、目で、耳で、そして体全体で音を味わう、このことを生徒に味わってもらいたいということだった。
お話もさることながら、やはり音を聴いてもらいたいということで、社長自らが機材を運びこんでいただき、時間よりはるかに早く来校し、セッティング、チューニングまでしていただいた。いつもと違う教室の雰囲気に、少しワクワクしながら講話の始まりを待つ生徒の姿が印象的でした。
当日の様子
9月18日、石見社長がニコニコしながら話を始めると、相手が社長さんということで少し身構えていた生徒たちの雰囲気も一転。和やかに話が進んでいきました。現在の会社で社長を務めることになった経緯について、リストラを推進する立場で自分自身もそこに残ろうとしなかった姿勢に、生徒たちから「かっこいい」「部下想い」という感想が聞かれました。
さらに、音楽が好きという仲間が集まって創った会社であるということについて、仲間の大切さを改めて感じることが出来たようです。そして、社長の話の中に出てきたいくつかのキーフレーズは、多くの生徒の心にしっかりと刻まれたようです。「時代の風を肩で知れ」「音楽は時空を越える」
後半で話が出た社長の夢。一つは、7年後のオリンピックの際に、自社の音楽機材を使ってもらい癒しの空間を選手村に創ってもらうこと。そしてもう一つは、奥様と一緒にオリンピックで通訳のボランティアをすることだというお話をされました。「61歳の私がこうした夢を持っているのだから、若い皆さんも色々な夢を持って取り組んでください」という発信に、生徒たちは何かを感じてくれたようです。
講演後の音楽機器を使っての試聴は、教室をコンサートホールへと変えました。とても有意義な時間を与えていただきました。
事後学習
講話終了後のワークシートには、これまでにない多くの感動の言葉が記されていました。その一部を記載します。
・アンプに力があるからリアルに聴こえる。そして、音楽のニュアンスが伝わる。すごいことだと思いました。音楽にかける想いが本当に伝わってきました。
・「音楽は時空を越える」という言葉は深いなと思いました。確かに、時代は変わっても色あせない音楽。音楽がかかると、その時代に戻ることができる。わかるような気がします。
・聴いた音楽は、耳からではなく体全体で聴いているようで、実際の生演奏のようにすごかった。
・何でもいいから、目標を持って取り組むことの大切さを知りました。自分も目標をもってがんばろうと思いました。
・やはり好きであるということが、何事に取り組む上でも大切だということを感じました。私も将来、自分が好きなものが、職業となればいいなと思いました。
・目標に向かって走り続けることも大切だけれど、社長の言葉にあった、時には立ち止まって周りの景色を見てみたいと思いました。
所感 ・ 振り返り
あらためて、言葉の力を感じた授業でした。世の中には、有名な人が残した名言なるものが数多く残っていますが、今を生きる、そして、想いが詰まった言葉であればあるほど、その言葉は多くの人の心に届き、そして、何かの力になるのだということを強く感じました。まさに、「言霊」。何かを極めた人だからこそ、その発信力の強さが伝わる素晴らしい講話だったと思います。
あわせて、なかなか音楽を全身で味わうことのない生徒たちに、音楽の本当の味わい方、そして、素晴らしさを体験することができた貴重な時間となりました。
実施校・参加者
私立 第一学院高等学校 高萩校(四ツ谷キャンパス) 1・2年次生
男子15名、女子11名